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2008年10月26日(日) 03時09分

パナマ運河拡張、邦銀が720億円融資読売新聞

 太平洋と大西洋を結ぶ中米のパナマ運河の拡張工事に、日本の金融機関が計8億ドル(約720億円)を融資することが25日、明らかになった。

 日本政策金融公庫の国際協力銀行部門(JBIC)が4億ドルを、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行などが残りの4億ドルを協調融資の形で応じる。パナマ運河庁と基本合意した。

 パナマ運河は、米国や南米の東岸と太平洋側をつなぐ海の大動脈だが、運河の手前で船舶が数日間も待たされる「渋滞」が慢性化している。このため、開通100周年にあたる2014年の完成を目指し、全長約80キロの運河の両端に水路を1本ずつ増設する工事が2007年から進められている。

 事業費は総額52億5000万ドルで、23億ドルを日本の金融機関や米州開発銀行(IDB)など海外から調達する計画だ。日本勢は「運河の通行料を値上げする動きがあり、融資の回収は問題ない」(JBIC米州ファイナンス部)と判断した。

 日本は米国、中国に次いでパナマ運河の利用が多く、工事の請負には大成建設、三菱商事、米建設会社ベクテルの3社連合が名乗りを上げている。

 完成すれば、運航する船舶の容量が約2倍に増え、従来のコンテナ船に加えて、中型の石油タンカーやLNG(液化天然ガス)船も通航が可能になる。中南米からの石油の輸送は、南アフリカの喜望峰沖を経由していたが、大幅な時間短縮が期待されている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000003-yom-bus_all