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2008年10月26日(日) 02時31分

<経産省>「懸賞金型」の補助金導入へ 新技術開発を促進毎日新聞

 経済産業省は、環境や医療分野の新技術の研究開発投資を促進するため「懸賞金型」の補助金制度を来年度から導入する方針を固めた。省エネ機器などであらかじめ明確な技術開発の目標課題を設定し、達成すれば確実に補助金を交付し、実用化に成功した場合は補助金を上積みする。

 例えば、「プラチナの使用を3割削減する燃料電池の開発」や「プールの水を淡水化するシステムの開発」などの具体的課題と、補助金総額を設定。課題をクリアした申請者には全員に等しく補助金を分配する。技術が実用化されれば、倍程度に補助金交付額が増える仕組みだ。

 従来の補助金制度は具体的な目標設定がなく、交付先の選考過程や基準が不透明な面があった。このため、実際に新技術を開発しても補助金の交付対象になるかどうかが不明確で、資金が不足がちなベンチャー企業などの投資意欲が高まらない要因となっていた。

 新制度は、課題を明確にすることで研究開発投資を促すとともに、補助金を出す側も早期に開発が必要とされる技術を指定することができる。同省は、来年度予算の補助金総枠として3億5000万円を要求し、三つの課題を設定する方針だ。

 同省によると、制度はノーベル賞経済学者のダニエル・カーネマン氏らが提唱した人の意思決定に関する「プロスペクト理論」を参考にした。透明性を高めて、補助金を見込んだ投資リスクを低くすることなどで、従来の制度に比べて10〜16倍の投資を促す効果が見込めるという。【坂本昌信】

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