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2008年10月26日(日) 20時47分

<イスラエル>連立断念、総選挙へ…中東和平交渉さらに停滞毎日新聞

 【エルサレム前田英司】イスラエルの最大与党カディマを率いるリブニ外相は、新たな連立政権の組閣を断念、国会の解散・総選挙に出る方針を固めた。地元メディアが26日、伝えた。リブニ外相は同日午後、ペレス大統領に報告し、早ければ来年1月末にも総選挙が実施される見通し。政局の流動化は避けられず、パレスチナやシリアとの和平交渉はさらなる停滞を余儀なくされそうだ。

 リブニ外相は25日夜の党幹部との会談後、組閣断念を決意した。イスラエル紙ハーレツによると、リブニ外相は「(政権入りに厳しい条件を突きつける)『脅し』には屈しない」と述べ、2010年に任期満了を迎える国会を解散して、総選挙を前倒しする考えを明らかにした。

 リブニ外相はギリギリまで、現与党の一角を担うユダヤ教超正統派の宗教政党シャスに政権残留を要請したが、パレスチナ和平交渉で聖地エルサレムの帰属を協議しないよう要求するシャスとの間で調整はつかなかった。

 また、アラブ系政党の「閣外協力」を得て、国会定数(120)の半数前後で少数与党を樹立する可能性もあったが、シャスが24日に政権不参加を表明した後、再連立に基本合意していた現与党の第2勢力・労働党などからも消極論が噴出していた。

 リブニ外相は先月22日、ペレス大統領から組閣の要請を受けた。組閣期限は来月3日だった。基本法(憲法に相当)によると、リブニ外相がペレス大統領に組閣断念を報告後、他の国会議員に組閣適任者がいないと判断された場合には、90日以内に総選挙が実施される。

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