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2008年10月26日(日) 20時23分

麻生首相、アキバで凱旋演説 聴衆から“太郎コール”も産経新聞

 麻生太郎首相は26日夕、東京・秋葉原駅前で首相就任後初めての街頭演説を行った。漫画やアニメなどの“オタク文化”に造詣が深い首相にとって、秋葉原は「第2の地元」。内閣支持率が下落傾向にある中、若者の活気を政権浮揚につなげたいようで、「世界が見習う国になろう」と自らを鼓舞するように訴えた。ただ、注目される衆院解散・総選挙については一切、言及しなかった。

 首相は、米国のサブプライムローン問題に端を発した金融危機について「日本経済に影響が出つつある」と指摘。「まず景気対策、中でも中小零細企業の対策を考えないといけない」と述べ、改めて国内の景気対策を最優先に取り組む考えを示した。具体策として企業の資金繰り対策や最低賃金の引き上げ、労働者派遣制度見直しなどを挙げた。

 さらに「世界中が手を携え対応すべきだ。日本は世界から期待され、それに応えねばならない大事な時期だ」と述べ、11月15日にワシントンで開かれる主要20カ国・地域(G20)の金融サミットで日本が果たす役割の大きさを強調。「日本の経済力をバックにした外交が日本の大きな力だ。外交、経済は麻生太郎が最も今の政治家の中で使える」と指導力をアピールした。

 首相は平成18年の自民党総裁選に出馬した際、秋葉原の遊説で「自称オタクのみなさん!」と呼びかけ、若者層の人気がブレークした。この日は、無差別殺傷事件の被害者に黙祷(もくとう)をささげると、「お礼をかねてやってきた」と“凱旋(がいせん)演説”であることを強調。約3200人(警視庁調べ)の聴衆から“太郎コール”が起こった。

 このため経済や外交の話はそこそこに、漫画やアニメの話題に移すと、「いい年した若者が『日本の将来は暗い』みたいな顔をするな。明るい顔をしろ」など“麻生節”を炸裂(さくれつ)させた。

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