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2008年10月25日(土) 02時39分

OPEC、150万バレル減産決定 追加削減も視野東京新聞

 【ウィーン=松井学】原油価格の急落を受け、石油輸出国機構(OPEC)は24日、ウィーンの本部で臨時総会を開き、現在の原油生産目標である日量2880万バレル(イラク、インドネシアを除く11カ国分)を11月から150万バレル引き下げる大幅な減産を決定した。世界経済の悪化で原油需要が当面落ち込むとみて、価格維持を図る狙い。今回の減産の効果を見極め、次回12月の総会前にも追加削減を検討する方向だ。

 100万バレル以上の減産に踏み切るのは2006年10月の総会以来約2年ぶり。

 前回9月の総会では、生産目標を上回って産出していた日量約50万バレルを削減する実質減産を決定。景気が悪化する中での相次ぐ高値維持の姿勢に対し、消費国の反発は避けられそうにない。

 OPEC議長のアルジェリアのヘリル・エネルギー鉱業相は総会後の記者会見で「金融混乱の影響も受け、世界の原油需要が今後落ち込むのは明らかだ。今回は実用的な決定であり、必要に応じてまた(減産を)決心する」と述べた。

 原油相場は米ニューヨーク原油先物市場の国際指標となる米国産標準油種(WTI)が今年7月に1バレル=147ドル台を記録したのを頂点に、約3カ月で半値以下に急落。OPECは減産の効果を上げるため、非加盟産油国のロシア、メキシコなどにも産出削減への協力を呼び掛ける考えを総会後に明らかにした。

 総会では、イラン、ベネズエラなど価格維持の強硬派が原油需要の落ち込みを数字で示し、大幅な減産を求めた。最大の産油国で親米のサウジアラビアは、減産によって原油価格が反転すれば米国はじめ世界経済に悪影響を与えかねないとの見方だったが、需給引き締めへと歩み寄ったもようだ。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008102590023909.html