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2008年10月25日(土) 00時16分

OPEC150万バレル減産 原油価格急落で、追加減産も示唆中国新聞

 【ウィーン24日共同=種村大基】石油輸出国機構(OPEC)は二十四日、原油価格の急落を受けた臨時総会を開き、日量二千八百八十万バレル(イラクとインドネシアを除く十一カ国)の現行の目標生産量を十一月から百五十万バレル引き下げる本格減産を決めた。金融危機による世界的な景気減速を背景にした価格下落に歯止めをかける狙い。百万バレル以上の減産に踏み切るのは二〇〇六年十月の総会以来約二年ぶり。

 ただ世界同時不況が現実味を帯び需要後退は避けられない状況で、今回の減産による価格維持の効果には懐疑的な見方が多い。ガソリンなど石油製品価格への影響は不透明だ。

 記者会見したヘリル議長は「必要があれば十二月までに総会を開く」と語り、価格下支えの効果が表れなければ、十二月までに生産量をもう一段引き下げる追加減産の可能性を強く示唆した。

 OPECはロシアやノルウェー、メキシコなどの非加盟国にも協調減産を働きかけたとされる。

 今回の臨時総会は、一バレル=六〇ドル台まで急落した原油価格に危機感を強めた加盟国の強い要望で、急きょ開催。通常は総会に先立ち意思統一のため開かれるOPEC諮問機関「閣僚監視委員会」が見送られ、減産実施では早くから加盟国で一致したとみられる。

 しかし急激な減産が米国など消費国経済に与える影響に配慮し、「二百万バレルの減産が必要」(イラン石油相)との強硬論を押さえ込んだことから、市場には供給過剰感がある。

 OPECは九月の総会で目標生産量の順守を徹底し「ヤミ増産」分を減らす実質減産を決めたが、原油価格の下落を止められなかった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810250136.html