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2008年10月25日(土) 00時00分

「被爆国の役割大きい」核軍縮について意見交換読売新聞

核兵器を巡る世界情勢について意見を交わしたシンポジウム

 国連軍縮週間(24〜30日)の24日、長崎市平野町の長崎原爆資料館でシンポジウムが開かれ、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた核軍縮の可能性や被爆国・日本の役割などについて意見を交わした。

 出席したのは元国連軍縮局職員の石栗勉京都外語大教授、朝鮮半島情勢に詳しい重村智計早大教授ら4人。

 石栗教授は「来日する外国要人に長崎、広島を訪れてもらえるように積極的に働きかけをすべき」と訴えた。長崎、広島の原爆忌についても「日本を最後の被爆地にしようと、さらに積極的な情報発信を」と話した。

 重村教授は「長崎、広島が被爆地として歴史的に果たす役割は大きい」としたうえで、「核兵器廃絶を世界にアピールできる」という観点から、東京にも原爆資料館を建設することを提案した。

 NPT体制を巡っては、NPTと核実験全面禁止条約(CTBT)に未加盟のインドに対して原子力関連資機材の輸出が例外的に認められ、NPT体制の形骸(けいがい)化が懸念されている。石栗教授は「インドの例外扱いはインドとパキスタンの緊張関係を高め、核軍備競争を促しかねない」と警鐘を鳴らした。

(池田亮)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20081024-OYT8T00726.htm