記事登録
2008年10月25日(土) 00時00分

天心堂「社会医療法人」に認定読売新聞

県内初 へき地、救急など担う

 大分市中戸次で「へつぎ病院」などを運営する医療法人・天心堂(松本文六理事長)が、公益性の高いへき地医療や救急医療を担う義務を負う代わりに、税制面などで優遇される「社会医療法人」の認定を受けた。県内での認定は初めてで、厚生労働省によると全国では8番目。

 昨年4月の医療法改正で創設され、今年度から認定が始まった。都道府県が、時間外診療や夜間の救急搬送受け入れ、へき地診療所への医師派遣日数などの実績を基に認定する。

 認定されると、法人税の一部が非課税となるほか、社会医療法人債を発行して自己資金を調達することなどが可能になる。一方で、監査報告書や財産目録などは一般に閲覧される。

 大分市南部、豊後大野市の一部や臼杵市野津町を医療圏域とする天心堂は昨年度、初診患者1万36件のうち、夜間・休日の初診患者が3656件で全体の36%を占めた。救急医療業務の認定基準とされる「20%以上」をクリアしており、10月8日付で認定された。

 松本理事長は「現在の診療報酬では、質の良い地域医療の維持は厳しい。認定によって看護師の処遇を改善したり、安全性向上のための医療施設を整備したりできる」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20081025-OYT8T00135.htm