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2008年10月25日(土) 00時00分

補修法 最安12億円読売新聞

 廃棄物処理施設「エコクリーンプラザみやざき」問題で、原因や責任を調べている外部調査委員会(野崎義弘委員長)は24日、浸出水調整池の補修工法について、調整池下にくいを打ち込んで支える工法が最適とする意見を示した。三つの案を検討した結果、最も費用と工期がかからないやり方と説明している。(馬場豊、毛利雅史)

 田中義信・県環境整備公社理事長は「外部調査委の見解に基づき、今後の方針を決めたい。費用は当面、銀行から融資を受けて捻出(ねんしゅつ)したい」として、早期着工する意向を示した。

 浸出水調整池は第1〜3水槽で構成されているが、地盤沈下によって、ひびが入り、漏水の恐れがあることが判明。第3水槽は地盤が強かったため、2005年度に補強工事をして使っているが、第1、2水槽は現在、利用されていない。

 調査委は、〈1〉三つの水槽の下に、はりとくいを入れ、水槽を支える(費用・工期=12億8000万円、16か月)〈2〉水槽下の地面に特殊な資材を入れて地盤自体を強くする(18億2000万円、18か月)〈3〉新しい調整池を造る(20億7000万円、21か月)——の3案を検討。いずれの案も安全性に差はないとした上で、「早期供用が可能で、最も経済的」として、〈1〉案が適切と判断した。

 第3水槽については、地震時を除き、安全性は確保されているとしたが、「長期的には地震にも耐えられるよう、安全性に余裕を持たせる補強が必要」との見解を示した。

◇      ◇      ◇

 関係する11市町村や地元対策協議会が参加する連絡調整会議も同日、施設内で開かれ、外部調査委員会がまとめた浸出水調整池の補修方法について詳しい説明を受けた。出席者からは改めて早期解決を求める意見や、補修費用が膨らむことへの驚きの声が上がった。

 会議では、外部調査委の中沢隆雄・宮崎大工学部長が、6月から実施してきた現地調査やボーリング調査の結果と、補修の工法を解説。3案から絞った案を説明し、「同じ失敗は許されず、きっちり施工する必要がある」と述べた。

 対策協の男性は一定の結論が出たことに安心しながらも、「偽りのないまじめな仕事で、一刻も早く不安を解消してほしい」と訴えた。

 当初、5億円程度とされた費用が2倍以上になる見通しとなり、津村重光・宮崎市長は「皆、びっくりしたと思う。(関係自治体の)負担割合は重要な課題」と語った。橋田和実・西都市長も「驚いた。今後、脱塩処理システムの問題も残っており、さらに負担が増えるのでは」と不安をにじませた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20081024-OYT8T00683.htm