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2008年10月25日(土) 08時12分

前田議員、講演で党サポーター募集 マルチ業界向け東京新聞

 民主党を離党した前田雄吉衆院議員(比例東海)がマルチ商法業界の関係者を対象に、「党サポーター」を募っていたことが分かった。党代表選の投票権や、業界に関する自作のメールマガジン配信など“特典”を記した募集チラシを作り、マルチ関連企業の講演会で配っていた。

 前田氏は「ノルマを達成するためだった。配布を断る企業が多く、効果はなかった」と説明している。

 同氏によると、チラシは数年前に作成。1、2社のマルチ商法関連企業で講演した際、参加者200人ほどの会場で配った。業界の個人あてに郵送したこともあった。

 チラシには「行政に対し『こんなことに頭にきている』『こんなことを何とかしてほしい』、そうお思いになられていることがありませんか? そんな時は直接あなたが衆議院議員前田雄吉にお申し付けください」と書いてあり、「民主党政権の下で今のおかしな行政を正そう」と加入を呼び掛けている。

 「年4回のメールマガジン『ネットワークビジネス情報』配信」など、独自の特典を盛り込み、申し込み欄を切り取って返信するよう依頼。議員会館の連絡先を記していた。

 民主党によると、党サポーターは18歳以上で党を支援する意思があれば、誰でもなれる。党員とは違うが、党代表選挙での投票や党主催のイベントなどに参加できる。年会費は2000円。

 前田氏は当時、党愛知県第6区総支部の支部長。党県連は総支部に年間ノルマとして党員50人、サポーター450人を集めるよう求めていた。前田氏は「他の業界にもお願いした一環。チラシの効果はなく、集まったのは3人ぐらいだった」としている。

 前田氏はマルチ業界から講演料や献金1300万円を受け取っていた責任を取って、16日に離党した。

 民主党愛知県連の伴野豊代表は「サポーターになれば、困ったときに助けてもらえるという誤解を与えるやり方で、事実とすれば非常に不謹慎。ノルマは理由にならない」と話している。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008102590074813.html