振り込め詐欺被害は平日の午後3時までに98%以上が集中し、金融機関やコンビニ店舗内での発生が、無人の現金自動預払機(ATM)コーナーよりも圧倒的に多い−。警視庁が振り込め詐欺撲滅月間の10月に毎日公表している被害発生状況の集計でこんな実態が浮かび上がっている。
警視庁によると、同じ被害者が複数回に分けてATMや金融機関の窓口で振り込むケースもあり、23日までの集計で、振り込みの回数は計120回だった。
このうち土日や祝日の振り込みはゼロ。平日の午後3時台が2回で、残りは平日の午前8時から午後3時前までだった。
午後3時以降の振り込みは翌営業日の扱いとなるため、すぐに現金を引き出せず、犯人が被害者への電話で「3時までに振り込んで」と指示するケースも多い。
また、警視庁は無人のATMコーナーを中心に連日1000カ所に警官を配置していたが、金融機関の職員らがいる店舗内のATMや窓口の使用が105回で87%に上った。このうち、金融機関の職員らが「振り込め詐欺じゃないですか」などと声を掛けたのは20回だけだったという。
一方、ATM前や窓口で警官や金融機関職員らが声を掛けたため、67件の被害が防げた(22日まで)。警視庁幹部は「有人店舗で積極的に声掛けを行うことでさらに被害は減らせるはず。金融機関に対策強化をお願いしている」と話している。