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2008年10月25日(土) 18時47分

首相、アジア外交無難な滑り出し 今後に正念場東京新聞

 【北京25日共同】麻生太郎首相は25日閉幕したアジア欧州会議(ASEM)首脳会議、中韓両首脳らとの会談でアジア外交を本格的に始動させた。日中の「戦略的互恵関係」推進を確認するなど無難に滑り出したが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、日中韓首脳会談などを控え正念場はこれからだ。

 首相が提唱した新興国の民主化支援「自由と繁栄の弧」構想は中国けん制とされ、韓国とも竹島(韓国名・独島)領有権問題がくすぶる。タカ派のイメージが今回の訪中で完全に取り除けたとは言えず、中韓両国も「麻生外交」の方向性を引き続き注視していく姿勢とみられる。

 一連の外交日程で首相が特に重視するのは12月に福岡市開催の方向で打診している日中韓首脳会談。停滞している北朝鮮による拉致問題で中韓に具体的な協力の約束を取り付け、北朝鮮への「圧力」を強めたい考えだ。

 ただ今回の個別会談で中韓両首脳は拉致問題では従来と同じ立場を繰り返しただけで、期待していた「踏み込んだ支援」(外務省幹部)への感触はつかめなかった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008102501000612.html