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2008年10月25日(土) 03時06分

「中華料理を無形文化遺産に」中国で申請計画が浮上読売新聞

 【北京=佐伯聡士】中華料理の伝統的な技法を、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に申請する計画が中国で浮上している。

 中国は、2005年に韓国の「江陵端午祭」が無形文化遺産に登録されたことで、「伝統行事である端午節(端午の節句)が奪われた」として危機感を強めているとされる。最近は、「太極拳」や「ウーロン茶」の製造技術などの申請を目指す動きも相次いでおり、文化防衛戦略が始動した形だ。

 中国調理協会(北京)によると、中華料理の無形文化遺産申請は06年からシンポジウムなどを開き、検討を重ねてきた。今年3月には、全国人民代表大会(国会)代表から、「仏政府はすでに自国の料理文化を申請する考えを表明している。端午節を奪われるような事態の再発を防ぐため、中国は中華料理を申請する意向を迅速に表明する必要がある」などとして、申請を求める提案が出された。

 同協会は「中華料理の伝統的な技法は、保護しなければ、社会の急速な発展に伴って失われてしまう」(馮恩援秘書長)と憂慮を深めている。今後、具体的な保護が必要な技法や高度な技術を有する代表的な人物などを選定し、5年以内の申請を目指す考えだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000007-yom-soci