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2008年10月25日(土) 03時05分

消火器爆弾で皇居攻撃した男、動画サイトで爆弾製造法学ぶ読売新聞

 東京都千代田区の路上から先月18日、皇居に消火器爆弾を撃ち込んだとして逮捕・起訴された元陸上自衛官小川俊之被告(34)が、「インターネットの動画サイトを見て爆弾の作り方を知った」と供述していることがわかった。

 小川被告はネットを通じ、爆薬約1トン分に相当する原料を買い集め、河原での爆発実験の映像なども動画サイトに投稿していた。原料は化学肥料など売買の規制がない市販品で、警視庁は「誰でも爆弾テロを起こせる深刻な事態」と危機感を募らせている。

 同庁幹部によると、今月8日に爆発物取締罰則違反罪などで起訴された小川被告は昨夏、若者に人気の動画サイトで、爆弾の製造方法を紹介する映像を見たのをきっかけに、爆弾作りに興味を持ち始めた。当初は牛乳瓶に爆薬を詰める程度だったが、次第に爆薬を入れる容器が、消火器→小型のドラム缶→容量1000リットルの雨水タンクへとエスカレートし、神奈川・丹沢山中の河原などで爆破実験を繰り返すようになった。その様子を収めた映像まで同じ動画サイトに投稿していたという。

 原料は市販の実験用薬剤や化学肥料で、小川被告は福岡、愛知両県の業者からネットを通じて購入。自宅からは主原料の薬剤約400キロが押収されたほか、昨夏以降、3回に分けて計930キロ購入したことを示す伝票も見つかった。

 これは死者約170人を出した1995年の米オクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件で使われた爆薬の半分にあたる。実際、小川被告が消火器爆弾を発射した際、同時に皇居のお濠(ほり)に仕掛けた時限発火装置付きの小型ドラム缶2個からは計80キロの爆薬が見つかり、横浜市金沢区の海中からは雨水タンクに入った2百数十キロの爆薬も押収された。

 小川被告は、約2年間、陸上自衛隊第1空挺(くうてい)団などに所属。フランス陸軍の外国人部隊にも在籍したという。昨年から今年にかけては相模原や海老名、座間の市議選に出馬し、「所得の官民格差是正に取り組む」などと訴えていた。しかし、なぜ爆弾を撃ち込んだか動機は不明で、同庁幹部によると、「世間がどのような反応を示すか確かめたかった」との供述を繰り返しているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000006-yom-soci