記事登録
2008年10月25日(土) 06時02分

英紙タイムズが「市橋容疑者自殺」…公安委員長は否定スポーツ報知

 24日付の英高級紙タイムズが、昨年3月に千葉県市川市で英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)が殺害された事件で、日本の警察当局が市橋達也容疑者(当時29歳)=死体遺棄容疑で指名手配中=が自殺したと断定し、捜査規模も縮小すると報じた。報道では市橋容疑者が自殺した場所、時期などについては触れられていない。これについて、佐藤勉国家公安委員長は全面否定した。

 24日付のタイムズは、捜査関係者の話として「日本には多くの山林があり、もし市橋容疑者が森に逃げ込み、死んだ場合、発見できないだろう。千葉県警は捜査を継続しているが、近く捜査態勢を縮小する見通しだ。捜査当局は市橋は死んだと結論付けている」というコメントを掲載。市橋容疑者はすでに自殺していると報じた。

 ほかに、捜査幹部の見方として、市橋容疑者が生きているならとっくに捕まっているはずで、遠隔地で自殺したから見つからないという可能性も示している。また、リンゼイさんの父・ウイリアムさん(55)の話として、千葉県警が捜査員の入れ替えを明言し、140人の捜査態勢を縮小することを告げられたとしている。

 ただ、市橋容疑者がいつ、どこで自殺したかなど、詳細については触れられていない。

 事件は2007年3月26日に発生。市川市のマンションで、リンゼイさんが遺体で発見された。勤務先の英会話学校から捜索願が出されており、リンゼイさん宅のメモから市橋容疑者が浮上した。同日午後9時40分ごろ、捜査員が市川市の自宅を訪ね、市橋容疑者に職務質問をしたが、逃走。行方をくらませた。

 千葉県警は、死体遺棄容疑で全国に指名手配。警察庁は今年6月に、この事件を捜査特別報奨金制度の対象とし、最大1000万円の懸賞金をかけた。遺族も市橋容疑者の顔がプリントされたTシャツやバッグを販売。ウイリアムさんは9月に4度目の来日をしており、捜査本部を訪れている。

 この報道を受け、佐藤国家公安委員長は閣議後の記者会見で「全く聞いていない」と話し、捜査態勢の縮小についても「一切ない」と自殺報道を全面否定した。

 タイムズは、英国の保守系高級紙。1785年に創刊され、世界で一番古い日刊紙と言われる。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081025-OHT1T00068.htm