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2008年10月25日(土) 23時35分

工場地下水から基準超えるシアン化合物 伊藤ハムが商品回収産経新聞

 伊藤ハム(兵庫県西宮市)は25日、東京工場(千葉県柏市)で使用している地下水から、基準値を超えるシアン化物イオンと塩化シアンが検出されたと発表した。検出されたのは1リットル当たり0・02〜0・03ミリグラム(基準値は0・01ミリグラム)で、同工場で製造された「あらびきグルメウインナー」や「ラ・ピッツァマルゲリータ」など13商品の自主回収を始めた。回収対象の製品は沖縄県を除く46都道府県に出荷されており、194万パックに上る。

 同社の山田信一専務は25日夜、都内で記者会見し、「多大なる迷惑をかけて誠に申し訳ありません」と謝罪した。

 また、同社は「食べても人体に影響はないと考えている」としており、これまでに健康被害の報告はないという。

 自主回収の対象となるのは、異常のあった水源からくみ上げた水を原材料などとして使い、約1カ月以内に製造された商品。自主回収する13種類のうち、ウインナー2種類について、塩化シアンなどが残っていないか検査しており、30日に結果が出る見通しという。

 同社によると、東京工場は同社の基幹工場の一つ。シアン化物イオンなどが検出されたのは、工場敷地内に3つある地下水源のうちの1つ。9月半ばに行った定期的な自主検査時に数値の異常があった。1週間後の再検査でも基準値を超えるシアン化物イオンなどが検出された。

 地下水は、ウインナーやピザの製造や機械の洗浄に使用している。

 柏市役所は25日、東京工場の24日の立ち入り調査では地下水の数値は基準を下回っていたと発表した。

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