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2008年10月25日(土) 02時32分

<愛知裏金>職員定数超す物品 県税事務所でも不自然購入毎日新聞

 建設、農林水産両部の地方機関で裏金が発覚した愛知県の県税事務所について、毎日新聞が02年度から5年分の「物品購入費支出一覧」を情報公開請求したところ、一部で職員定数を大幅に超える数量の不自然な事務用品の購入をしていたことが分かった。県は全地方機関を対象に経理を調査する方針で、県税務課は「不正経理の可能性を全くは否定できないので、調査ではっきりさせたい」としている。

 開示されたのは、全10県税事務所のうち8事務所分。07年に職員による物品の架空発注詐欺事件があり、2事務所分は県警に押収された。

 西三河(職員定数120人)では毎年、年度末の1〜2月に2240〜2950本の大量のボールペンを購入、4〜12月分を加えると5年間で計1万4230本(購入額約56万円)に達した。名古屋東部(同143人)が購入したボールペンは計4154本(同約26万円)で、職員定数で下回る西三河が3倍以上も上回った。

 豊田加茂(同48人)は電卓を計202個(同約63万円)購入。耐用年数の長い電卓を5年間に1人4個分買い増した計算になる。東三河(同68人)も電卓を計103個(同約41万円)購入していた。

 ホチキスを年度末に大量購入するケースも目立つ。豊田加茂では1月以降に全体の3分の2にあたる計50個を購入し、総計では1人2台近い75個(同約5万円)購入。東尾張(同83人)139個▽西尾張(同79人)132個▽名古屋南部(同123人)153個−−も職員定数を超えていた。

 さらに名古屋西部(同58人)は、04.05年度の資料が押収されているが、残る3年分でホチキス計91個(同約3万円)、椅子計78脚(同約110万円)を購入していた。

 税務課の担当者は「県側に残っている書類を業者側の資料と照合して確かめたい」と話している。

 会見検査院の調査で、同県の建設、農水事務所は事務用品を大量に業者に架空発注して代わりにパソコンなどを納入させていた。同県の県税事務所については、各年度予算で必要分以上の郵便切手を大量に買い増し、プールしていた問題も毎日新聞の調査で発覚している。【桜井平、秋山信一】

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