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2008年10月25日(土) 02時30分

<実質成長率>今年度予測0%台に 日銀展望リポート毎日新聞

 日銀は24日、今月31日に発表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で国内総生産(GDP)の実質成長率の予測を08年度は0%台前半、09年度は0%台後半に大幅下方修正する方向で最終調整に入った。7月時点では08年度を1.2%、09年度を1.5%と見込んでいたが、金融危機の深刻化を受けて、景気停滞が長引くとの判断を示す公算だ。

 展望リポートは今回から初めて3年間の成長率と物価上昇率の見通しを公表し、10年度の成長率は潜在成長率並みの1%台半ばとする方向で調整している。

 日銀は7月時点で景気回復の時期を09年度と見込んでいたが、9月以降の金融危機や世界的な景気悪化懸念の拡大に伴い、回復が10年度にずれ込むとの見通しを示す。

 一方、消費者物価の前年比上昇率は、今年8月の実績が2.4%だったが、最近の原油相場の急落などを受けて、上昇率が今後鈍化すると見込む。展望リポートでは、08年度が1%台後半、09年度は1%程度の上昇率を軸に調整している。

 日銀は展望リポートを4月と10月の年2回公表している。それぞれ7月と翌年1月に中間評価し、足元の景気・物価動向を踏まえて、予測を修正する。展望リポートは日銀の景気・物価認識を示すもので、今後の金融政策の方向性を占う重要な材料になる。【斉藤望】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000013-mai-bus_all