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2008年10月25日(土) 19時09分

「当せん金の数千万円を借金」 返済めぐる口論で殺害か中国新聞

 二億円の宝くじに当せんした岩手県一関市の無職吉田寿子よしだ・ひさこさん=当時(42)=が二〇〇五年に殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元交際相手の元新聞配達員熊谷甚一くまがい・じんいち容疑者(51)が大船渡署捜査本部の調べに「当せん金のうち数千万円を借りていた。吉田さんに『返して』と迫られて口論になり、殺害した」と供述していることが二十五日、分かった。

 吉田さんの遺体は熊谷容疑者が事務所として使っていた岩手県陸前高田市の建物の敷地で発見され、捜査本部は付近で殺害後、そのまま遺体を遺棄したとみている。熊谷容疑者は「ロープで首を絞めた」と供述しており、捜査本部は口論や殺害の経緯を調べるとともに、ロープを事前に用意していたのかどうかなど殺害の計画性の有無についても捜査している。

 吉田さんの当せん金をめぐっては、熊谷容疑者が一部を自身の借金返済に充当したほか、県内の飲食店経営の女性に渡していたことが既に判明。当せん金以外にも吉田さんから借金し、返済を再三迫られていた。

 吉田さんは〇五年四月末に所在不明となり、同年五月上旬に殺害されたとされる。吉田さんは自動車販売業者に「(熊谷容疑者がいる)陸前高田市に四月二十九日に引っ越す」と話していた。

 捜査本部や関係者によると、遺体発見現場は建物と倉庫があり、吉田さんの失踪しっそう前後に、熊谷容疑者が所有者に「倉庫に荷物を置きたい」と依頼。吉田さんの衣装ケースやたんすなどが運び込まれた。捜査本部は家具移送と殺害との関連についても調べている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810250313.html