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2008年10月25日(土) 18時03分

広島3区、候補選び難航中国新聞

 衆院広島3区を地盤とする自民党の現職2人が、次期衆院選で3区からの立候補を譲らず、調整が難航している。党本部が小選挙区と比例代表の候補者を選挙ごとに交代させる「コスタリカ方式」の廃止を打ち出したためで、1人を広島6区に「国替え」する案も浮上。解散・総選挙の日程が固まらない中、地元では2人のにらみ合いが続いている。

 「1人が6区に行けば救われる。どうだろうか」。自民党の古賀誠選対委員長は16日、党本部で面会した広島県連の奥原信也幹事長に、あらためて伝えた。増原義剛氏(63)=比例中国=と、前回3区で当選した河井克行氏(45)のうち、党の立候補予定者がいない6区に回った方は比例中国の上位で優遇するとの提案だ。

 奥原氏は「党の調査で3区の情勢が厳しく、従来通りのコスタリカはない」と党本部の意向を説明する。6区は連続10期当選した国民新党現職の亀井静香代表代行の地盤。奥原氏は「6区に移れば厳しい選挙になる。とにかく2人が議席を取れるようお願いした」と話す。

 同じコスタリカ方式の岡山5区は、事実上のコスタリカ維持の方向で調整中だ。「広島3区と違って情勢調査の数字がいいから2人の選挙協力を前提に認めている」と奥原氏。

 党本部や広島県連内には「3区は2人が協力してもっと汗をかけば民主党に勝てないことはない」「まずは2人を話し合わせるべきだ」との意見もあるが、本人たちに応じる気配はない。もともと、2人の所属する派閥間の折衝の末にコスタリカ方式の導入が決まったため、県連も積極的に調整に乗り出す様子はない。

 コスタリカ方式なら今回は3区から立つ順番の増原氏は「現職同士がぶつかれば、共倒れになる。ルール通り、本部に差配してもらいたい」と主張。河井氏は「3区は私の古里。誰が何人出ようとも、私は古里から出る」と譲らない。2人とも地元に張り付き、街頭演説やあいさつ回りを精力的にこなす。

 3区にはこのほか、民主党新人の橋本博明氏(38)が立候補の準備を進めている。今月に入り後援会を発足させ、事務所を開くなど活発な動きを見せる。「どちらが相手でもいい。私は私のやり方で、政治を変えようと訴えていく」としている。

【写真説明】街頭演説をする河井氏(左)と増原氏

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200810250267.html