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2008年10月25日(土) 15時47分

タミフル効かないウイルス 9県で発見、鳥取突出 昨冬・感染研調査産経新聞

 治療薬タミフルが効かないインフルエンザウイルスが、昨シーズンは9県の患者から見つかり、中でも鳥取は32%と突出して多かったことが、国立感染症研究所の調査で分かった。26日から岡山市で開かれるウイルス学会で発表する。

 感染研ウイルス三部の小田切孝人室長は「継続して監視することが重要。今年も流行するか、特に注意してみていく必要がある」と話している。

 海外で昨年、タミフル耐性ウイルスが高い割合で見つかったため、緊急調査を実施。全国の地方衛生研究所を通じて採取したAソ連型ウイルス(H1N1)1713株を調べた結果、山形、栃木、神奈川、長野、岐阜、愛知、兵庫、鳥取、島根の計44株(2・6%)が、遺伝子の一部が変異し、タミフルが効かなくなったウイルスだった。

 鳥取では68株中22株が耐性で、32・4%の高率。隣接する兵庫は7・5%、島根は1・2%で、鳥取が突出している理由は不明という。

 耐性ウイルスは、タミフルを使っていない国でも多く出現しており、使用が原因ではなく自然の変異によるとみられる。これまでのところAソ連型のみだが、A香港型、B型でも現れるか、注意が必要としている。

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