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2008年10月25日(土) 13時01分

職業訓練校の補助金不正受給:新たに2校、296万円判明−−県中間報告 /山形毎日新聞

 ◇鶴岡産能学院と長井訓練校
 職業訓練校の補助金不正受給問題で24日、新たに鶴岡産業能力開発学院と長井高等職業訓練校が、03年度以降、それぞれ148万円を不正受給していたことが明らかになった。また鶴岡職業訓練協会は受託料の一部が使途不明になっていた。一連の不正会計問題を受け、県雇用労政課が全23施設を調査しており、中間報告をまとめた。【林奈緒美、近藤隆志、釣田祐喜】
 長井高等職業訓練校(菊地繁校長)では、「情報処理課程」と「木工課程」で水増し請求が行われた。03〜06年度に各年度1〜3回、計8コース82人分を水増しし、補助金148万7000円を不正受給していた。
 水増し請求の生徒名などは、過去の受講生名を利用していた。
 昨年3月まで在任した前校長と前事務長は不正受給した補助金を「パソコンや暖房機など備品を購入した」と話しているという。
 しかし雇用労政課はこの2人から直接聞き取りをしておらず、菊地校長らが同課の指示を受け任意で話を聞いているだけ。このためはっきりとした回答が得られていない。
 一方、鶴岡産業能力開発学院(早坂剛理事長)は、03〜07年度に計133人148万7000円分を不正受給した。当初の県の聞き取り調査には不正受給を否定していた。学院の池原栄治事務局長は「打ち明ける決断ができなかった。不正受給があるとは知っていた」と釈明した。
 補助金受給要件を満たすため、学院は別の日に同様の講座を受けた中小企業の受講者を、当該講座に振り替えるなどしていた。
 不正受給額の内訳は03年度4万6000円▽04年度18万4000円▽05年度20万円▽06年度34万3000円▽07年度71万4000円。池原事務局長は「決算を赤字にしないため、不正受給の申請をしてしまった」と話している。
 また、鶴岡職業訓練協会は03年度に受給した受託料108万円のうち一部が使途不明。南陽市職業訓練協会は05、06年度の受託料を帳簿に計上していなかった。
 県は指導、検査不足だったとして、今後、受講者名簿の提出を求める。年内をめどに最終報告をまとめ、その後、補助金返還請求や刑事告訴を検討する。

10月25日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000114-mailo-l06