2008年10月25日(土) 11時37分

＜宝くじ殺人＞熊谷容疑者「金の使い道でもめた」（毎日新聞）

　２億円の宝くじが当たった岩手県一関市千厩（せんまや）町の無職、吉田寿子さん（当時４２歳）が殺害された事件で、逮捕された東京都台東区松が谷４、新聞販売店元従業員、熊谷甚一容疑者（５１）と吉田さんの関係が、宝くじ当選前後に悪化していたことが複数の関係者の話で分かった。県警大船渡捜査本部は、殺害動機が当選金を奪うだけでなく、使途を巡るいさかいや三角関係による交際のもつれもあったとの見方を強め調べている。

　調べに対し熊谷容疑者は「（吉田さんとの）交際や（当選）金の使い道でもめていた」と、供述をしているという。

　これまでの調べなどによると、熊谷容疑者は、同県陸前高田市で電子部品会社（０６年２月倒産）を経営していた際、吉田さんが勤めていた通信機器会社の下請けとして１０年以上取引があり、吉田さんと知り合った。吉田さんの元同僚の女性（６３）によると、熊谷容疑者が来ると２人はほほえみ会うなど、仲がいい感じだったという。

　その一方で、熊谷容疑者は吉田さんから繰り返し借金をしており、吉田さんは行方不明になる直前に別の女性に「熊谷にお金を貸しているが、返してくれず、信用ならない」などと話し、不信感を募らせていた。当時、熊谷容疑者は別の飲食店を営む女性と親しい関係にあり、吉田さんの失そう後、多額の金を贈っていた。

　捜査本部は、この女性の存在で三角関係になったことを知った吉田さんとの間で交際がこじれていた可能性もあるとみて動機の解明を急いでいる。【狩野智彦、宍戸譲】

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