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2008年10月24日(金) 23時49分

<賠償訴訟>評定提出は違法 早稲田中卒業生勝訴 東京地裁毎日新聞

 私立早稲田中学(東京都新宿区)が都立高入試の資料として自分の成績を区や都の教育委員会に提出したのはプライバシー侵害だとして、卒業生の男性が中学を運営する学校法人早稲田高等学校と都、区に200万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は24日、3万円の支払いを命じた。笠井勝彦裁判長は「原告は都立高に出願しておらず、成績を知らせる必要はなかった」と述べた。

 判決によると、新宿区教委は04年度の都立高入試の合否判定に必要として、区内の中学校に3年生全員の評定(成績)を提出するよう要請。これを受け早稲田中は04年1月、生徒名を明示した評定を提出し、区教委は都教委に送った。都側は「各中学で事情が異なり、出願者の評定を公平に判断するには、在籍する全生徒の評定と比較する必要がある」と主張していた。

 笠井裁判長は「生徒名を特定しない評定の一覧表や分布を出願先の都立高に送れば、公正な判断はできる。進学先に評定を開示する必要はあるが、区教委や都教委への提出は不要」と指摘。その上で「原告は都立高入試と無関係で、評定を提出したのは違法」と結論づけた。

 都教育庁は「判決文を見ていないのでコメントできない」と話している。

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