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2008年10月24日(金) 14時58分

ドン・キホーテ:中国人旅行者のインバウンド事業に注目サーチナ

中国人旅行者に注目:日本の取り組み(5)

 2008年1月、日本政府は中国人への旅行ビザの発行条件の大幅緩和を決定し、08年3月からは団体ツアーに参加しなくても家族旅行などの個人旅行でのビザ取得が可能となった。

 08年上半期、中国本土からの観光客は前年比14.9%増の49万9700人に達し、多くの中国人観光客が日本を訪れているなか、ドン・キホーテは08年6月1日から中国人観光客が多く訪れる19店舗に対して、銀聯カードによる決済サービスを開始した。中国人観光客の消費動向や外国人観光客対策などについてドン・キホーテに話を聞いた。

 日用品から家電製品、ブランド品まで様々な商品をワンストップで提供するドン・キホーテでは、銀聯カードで決済を行う観光客は、現金で支払う観光客に比べて購入単価が高額であることが多いという。なかにはロレックスやフランクミューラーなどの高級腕時計を購入する観光客もいる。

 6月の銀聯カード導入開始直後に比べ、8月の銀聯カードによる決済金額は2倍以上の伸びを記録したほか、店舗数が増えているため単純比較はできないものの、免税制度導入店舗での免税利用金額も前年比で2倍以上の伸びを記録している。

 ドン・キホーテが銀聯カードを導入したのは、新宿店や上野店などを訪れる中国人観光客から、「銀聯カードを導入してほしい」との声が多く聞かれたことがきっかけだ。それまでは広告出稿などを含め、各プロモーションは各店舗が独自に行っていたというが、6月の銀聯カード導入を契機に、チャイナマーケットからのインバウンド事業に対して全店挙げて本格的な取り組みを開始している。

 取り組みのひとつとしてあげられるのは、台湾や香港、上海で行っている広告出稿やイベント参加だ。これまでも現地での旅行ガイドブックなどに取り上げられることはあったそうだが、集客をさらに強化するために現地の雑誌などへ広告出稿を開始しているほか、中国国際旅游交易会(CITM)といったイベントへの参加を通じて、今後もチャイナマーケットへのフォーカスを強化していくという。(文責:サーチナ・メディア事業部)

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