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2008年10月24日(金) 00時00分

海砂採取禁止で藻場回復傾向中国新聞

 魚介類の産卵の場や水質浄化の役割を果たす藻場が、岡山県内でアマモを中心に回復傾向にある。2007年度の県調査では、面積は1397ヘクタールと前回調査(1995年度)に比べ58.2%広がった。03年からの海砂採取禁止に加え、漁業者や県などによる再生活動が効果を発揮してきた。

 昨年6月から今年3月にかけ、県内全海域(約800平方キロメートル)で、砂泥域に生育するアマモと岩礁域のガラモに分けて調査した。10ヘクタール以上の大規模藻場は4カ所、10ヘクタール未満の小規模は177カ所あった。アマモ全体では1221ヘクタールと約2.1倍に増加。水質汚濁や海砂採取による透明度の低下で1960年代から減少してきたが、ここにきて回復してきた。一方、ガラモは176ヘクタールで42.8%減った。アマモに比べ、水温上昇に弱く、温暖化が影響したと推測している。

 藻場で育つマダイ、ガザミ、クマエビなどの漁獲量も増加傾向にある。県水産課は「ガラモが育つ石の散布なども続け、さらに藻場の拡大に努めて漁獲量の増大につなげたい」としている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200810240003.html