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2008年10月23日(木) 18時48分

東証、一時8000円割れ寸前 世界的な景気悪化を懸念中国新聞

 二十三日の東京株式市場は、世界的な景気悪化への懸念から主力株を中心に売り注文が殺到、朝方は全面安となった。日経平均株価(225種)は午前に一時、前日比六五八円〇八銭安の八〇一六円六一銭と八〇〇〇円割れ寸前まで下落した。前日の米ニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均は一時、六九八ドル下落し、終値は八五〇〇ドル台に急落。東京に続いて取引が始まったアジア株も軒並み下落し、いったん収まったかにみえた株安の連鎖が再燃。世界同時不況の様相が一段と強まった。

 外国為替市場で円が買われ、特にユーロに対して一時、一ユーロ=一二三円台後半と、五年十カ月ぶりの水準まで急速に円高が進んだことが売りを加速させた。平均株価は取引時間中としては、十日の暴落時に付けた今年の最安値八一一五円四一銭を割り、二〇〇三年五月以来、五年五カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。

 午後は、円高進行が一服したことや、割安感からの買い戻しが入り、下落幅を縮小した。

 終値は、二一三円七一銭安の八四六〇円九八銭。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も一七・五三ポイント安の八七一・七〇。出来高は約二十八億二千六百万株。

 米大手企業の決算や経済指標の悪化で、米景気後退への懸念が広がった。欧州の景気の先行きに対する不安も一段と高まった。急速な円高で、輸出産業を中心とした国内企業業績がさらに悪化する恐れも強まり、自動車、電機、鉄鋼株などが大幅に値下がりした。

 市場関係者は「市場は世界の景況感に敏感になっている。海外株式市場や外為市場に左右される不安定な相場が続きそうだ」(大手証券)と指摘している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810230324.html