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2008年10月23日(木) 15時00分

法テラス:法と市民結びつけたい 寺井理事長が講演−−日田 /大分毎日新聞

 ◇サテライト訴訟の体験「もっと自信持って」
 日本司法支援センター(通称・法テラス)理事長の寺井一弘弁護士(66)が21日、日田市中央公民館で、「市民と司法の架け橋を目指して」と題して講演した。寺井氏は日田市が提訴した別府競輪場外車券売り場「サテライト日田」設置許可取り消し訴訟の弁護団長。03年11月、別府市を設置断念に追い込む原動力になった。【楢原義則】
 寺井氏は長崎出身。「貧困と差別と戦争は許さない」との母の教えが原体験となり、弁護士の道へ。東京弁護士会副会長、日弁連事務総長を経て法務省総合法律支援準備室顧問を務め、法テラス設立に駆け回った。今年4月、理事長に就任した。
 同公民館は開館30周年を記念し、市民大学「咸宜大学」特別講座に招いた。寺井氏はサテライト日田法廷闘争について「ギャンブル・ノー、絶対阻止との市民エネルギーや『まちづくり権』への思いが断念を勝ち取った。皆さんは自分たちにもっともっと自信と誇りを持ってほしい」と振り返った。
 ときに国家や政治家の本質に触れ、裁判員制度の大きなプラス面にも言及するなど多忙な一面をのぞかせた。法テラスについては「法と市民を結びつけるこの仕事に命をかけ、世界に冠たる組織に育て上げたい」と語った。
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 ■ことば
 ◇法テラス
 「法で社会を明るく照らしたい」「みんながくつろげる日当たりのよいテラスのような場所にしたい」との思いから名付けられた。法的トラブルに直面した市民に相談先などの情報を提供したり、国選弁護や民事法律扶助、司法過疎地への弁護士派遣など市民に司法へのアクセスを保証した。法テラスの相談窓口は0570・078374。

10月23日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000205-mailo-l44