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2008年10月23日(木) 13時02分

登場:水戸地検検事正になった、佐々木善三さん /茨城毎日新聞

 ◇「粘り腰」で困難打開−−佐々木善三さん(55)=水戸市
 東京、大阪両地検での特捜部生活は、02年まで務めた副部長ポスト(東京)まで延べ11年半に及ぶ。撚糸(ねんし)工連事件(86年)、リクルート事件(89年)、住専事件(96年)など、事件史に残る汚職や大型事件の捜査に取り組んできた。「困難を打開するのは、創意工夫と粘り」。検察幹部となった今も、自他ともに認める「粘り腰」が慎重な語り口から伝わる。
 「ある日、自分が突然、被害者になるかもしれない事件に市民の不安感が異常に高まっている」。無差別殺傷や振り込め詐欺の多発に時代の変化を感じている。「県警と連携し厳正に対処することで県内の治安回復に努めることしかない」
 来年5月開始の裁判員制度を控え、公判での簡潔で迅速な立証と、「開かれた検察庁」の実現を課題に挙げる。「制度に反対する意見もあるが『真の司法参加』の理念は間違っていない。仮に改善すべきところがあれば、改善すればいい」と話す。
 岩手県陸前高田市出身。妻と長男。茨城の印象は、今年1月まで検事正を務めた和歌山と比べ「とにかく平地が多くて感動した」。県内の名所旧跡を回るのが楽しみだという。【清野崇宏】

10月23日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000123-mailo-l08