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2008年10月23日(木) 12時01分

個人情報:USBメモリー紛失相次ぐ 木更津東高・男性教諭が2個 /千葉毎日新聞

 ◇県教委、管理徹底呼びかけ「重要な情報扱う意識欠如」
 木更津市木更津の県立木更津東高校(三瓶繁男校長)は22日、定時制英語科の男性教諭(50)が生徒の個人情報を記録したUSBメモリー(外部記憶媒体)2個を紛失したと発表した。情報の流出は確認されていない。
 同校によると、USBメモリーには、定時制の全校生徒226人分の氏名▽113人分の英語の成績(1学期)▽担任する12人分の氏名、生年月日、成績入りの調査書▽進路調査資料20人分——などが記録されていた。
 教諭は10日午後4時半ごろ、職員室で私物のパソコンで作業。バックアップを合わせ2個のUSBメモリーを布製の専用ケースに入れて保管。授業をした後、同9時40分ごろ帰宅した。休み明けの14日午前11時半ごろ、パソコンで作業するため、自分の机の引き出しからケースを取り出そうとしたところ、ケースがなく紛失に気付いた。
 教諭は普段、USBメモリーが入ったケースを首からつるしたストラップにつけ、帰宅する際は職員室の机の中に保管していた。10日はケースをどのようにして机にしまったか、記憶がないという。職員室や校内のほか、教諭が立ち寄ったコンビニなどを捜したが見つからなかった。
 教諭は16日に木更津署に紛失届を提出。同校は20日に全校集会を開き、生徒に紛失を説明、陳謝した。【児玉賢二】
 ◇教職員の意識高揚を
 県教委教職員課によると、教職員のUSBメモリーの紛失は今年度だけで8件目。県教委は9月、「情報セキュリティーの自己点検」として、県内の全教職員を対象に「必要のない情報を入れていないか」「鍵がかかる場所にUSBメモリーなどを保管しているか」など、25項目のチェックを実施し、業務で使用するパソコンや記憶媒体の管理徹底を呼び掛けたばかりだ。
 USBメモリーの使用にあたっては、パスワードの設定や使用時の上司への報告が原則的に義務付けられている。学校によっては、「紛失の恐れが高い」として、全面的に使用を禁止しているところもある。
 学校現場で紛失が相次いでも、「全面的な使用禁止は難しい」(同課)のが実情。財政上の問題から、パソコン支給は「教員1人に1台」というわけにはいかず、共用パソコンを複数で使用している。私有パソコンの使用は認められており、共用パソコンからUSBメモリーなどを使ってデータを移して作業せざるを得ないという。
 県教委は点検を再度実施し、情報管理の意識向上を呼び掛ける。同課は「『重要な情報を扱っている』という認識に欠ける。教職員の意識を高めることと、管理職によるチェックを強化していくしかない」としている。【神足俊輔】

10月23日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000063-mailo-l12