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2008年10月23日(木) 21時41分

<金融危機>途上国には「三つ目の衝撃」…勝世銀副総裁毎日新聞

 【ブリュッセル福島良典】世界銀行の勝茂夫副総裁(欧州・中央アジア担当)は21日、ブリュッセルで毎日新聞と会見し、金融危機が途上国にとって食糧・燃料価格高騰に続く「三つ目の衝撃」になったと指摘、人道危機への拡大を食い止めるため、先進国が連帯して途上国支援を強化する必要性を訴えた。

 副総裁は国際金融体制のあり方について、「今まではG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)中心でやっていけばいいという体制で、新興国・途上国は受け身だったが、それを変えざるを得ない」とG7拡大の必要性に触れた。その上で「市場放任主義のやり方は見直されるだろう。新たに機関を作るとすれば、グローバル・ガバナンス(国際的な統治)の権限を与えるのかどうかが大きな問題だ」と述べた。

 一方で、金融危機の途上国への影響に懸念を表明。「(先進国が)不況対策のために、アフリカなどの途上国を忘れてしまうと、かえって世界の対立や緊張が高まる」として、先進国に政府開発援助(ODA)増額の公約順守を促した。

 さらに、食糧・燃料価格高騰の影響により世界で約1億人が「貧困ライン」以下に置かれていることなどを挙げ、「今こそ連帯が必要になる。金融危機を人道危機にしないようにするのが我々の使命だ」と強調した。

 副総裁は22日にブリュッセルで開かれたグルジア支援国会議で共同議長を務めた。

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