記事登録
2008年10月23日(木) 21時07分

<ASEM>EU、首脳会議で中印の取り込み狙う 毎日新聞

 【ブリュッセル福島良典】24日に北京で開幕するアジア欧州会議(ASEM)首脳会議で欧州連合(EU)が目指すのは国際金融体制の見直しや地球温暖化対策での中国、インドとの連携の強化だ。EUは経済成長著しい両国を抱えて世界多極化の「震源地」となっているアジアとの協調を確認し、対米発言力を高めたい考えだ。

 ASEMはこれまではミャンマーの人権問題などが意思疎通を妨げる「トゲ」となり、十分な機能を発揮できなかった。だが、金融危機や環境問題など地球規模の緊急課題が浮上してきたことで、両地域が連携を強化する必要性が高まった。

 新しい国際金融体制の構築を目指すEUは首脳会議で「アジアの取り込みを図りたい」(欧州外交筋)としている。欧州に比べアジア諸国は米国発の金融危機の傷が浅かったと指摘されるが、EUは首脳会議で世界金融に関する声明を発表する点を「アジアが危機感を共有している証拠」(高官)と評価しており、国際通貨基金(IMF)の改革論議などを深めたい考えだ。

 重点国は中国とインドだ。EU議長国フランスのサルコジ大統領は「23億人の人口を抱える両国は重要なパートナーだ。中国は通貨・資本・経済大国。インドは30年後、人口で世界一になる」と指摘し、金融危機への対応を協議する国際会議では「両国の参加が不可決」と強調している。

 サルコジ大統領は世界の多極化を反映する国際的な枠組みの構築を主張しており、「基軸通貨はいくつ必要なのか。インドのような国が世界通貨を持つ資格はないのか」と基軸通貨のあり方を再検討する必要性も提起している。

【関連ニュース】
麻生首相:24日に訪中へ 初の日中首脳会談開催で調整
国際金融システムの改革促す声明を採択へ
韓国大統領:日中韓首脳会談提案へ 金融危機の対応策協議
麻生首相:23日から訪中…ASEM首脳会議出席
麻生首相:日中韓首脳会談の開催打診 12月中に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000081-mai-bus_all