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2008年10月23日(木) 21時07分

<富士山静岡空港>立ち木で開港延期へ毎日新聞

 静岡県は23日、「富士山静岡空港」の開港日を当初予定の来年3月から最短でも2カ月程度延期する方針を固めた。既に完工しているが、滑走路西端側の私有地に航空法の高さ制限を超える立ち木と土地があり、国の完成検査を受けられないことが分かった。

 立ち木所有者は伐採を拒否しており、県は滑走路を暫定的に300メートル程度短縮し、違法状態を解消する方針だが、新たな工事や計画の手直しが必要。直前の開港延期という異例の事態で県の責任問題が浮上しそうだ。

 静岡空港は県が設置・管理する第3種空港として、島田市と牧之原市にまたがる約190ヘクタールに建設。総事業費は1900億円で98年に着工、2500メートル滑走路1本などの施設がある。日本航空、全日空、韓国アシアナ航空が3月からの定期便就航を表明している。

 周辺は、安全確保のため一定の高さ以上の障害物の存在が航空法で制限されているが、滑走路西端約1400メートルの私有地に規制より10メートル以上高い立ち木約40本と1メートル程度高い土地などがある。住民などが空港事業の認定取り消しを求めている行政訴訟で、国と県が今年9月11日の弁論などで存在を認め、問題が表面化した。【松久英子、浜中慎哉】

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