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2008年10月23日(木) 21時07分

<九州新幹線>高架橋パネルはく離 販売元「麻生」聴取毎日新聞

 九州新幹線(新八代−鹿児島中央駅)で04年の開業前、高架橋に使われた樹脂パネルがコンクリートからはく離するトラブルが複数起きていたことが分かった。施工業者が修復したが、パネルに欠陥があった疑いもあり、九州新幹線を建設した鉄道・運輸機構(旧日本鉄道建設公団、横浜市)は、販売元の「麻生」(旧麻生セメント、福岡県飯塚市)から事情を聴く。

 同社によると、パネルは樹脂などでできた厚さ約1センチ。92年ごろ販売を始め、当初はボルトなどで固定せずコンクリートに接着できることを特徴にしていた。パネルを使ったプールの床などがはがれるトラブルが報告されるようになった。このため、当時の担当者によると、九州新幹線工事用に建設会社に納入する際はパネルをボルトで固定するように求めたという。パネルの販売は02年にやめているという。

 同機構によると、公団時代の00〜02年に行われた高架橋工事で、コンクリートけたの下部の埋設型枠として使用された。施工業者からは、麻生とほかの2社のパネルを工事で使用する届け出があり、機構が承諾した。

 開業直前の03年夏に実施した検査では、15カ所でパネルがコンクリートからはく離し、すき間が生じているのが発見され、施工業者がすき間の補修をした。開業後ははく離などは確認されていないという。

 藤本昭・麻生経営支援本部副本部長は「詳細については、資料が見つかっていないので分からない。引き続き調査したい」。同機構九州新幹線建設局の赤沢有二次長は「パネルの欠陥については把握していない。はく離したすき間に水が入れば耐久性に影響するが、開業前にすべて補修しており、安全性に問題はない」と話している。

 麻生はセメント製造や病院経営など幅広い事業を営む麻生グループの中核企業で、01年に麻生セメントから社名を変更した。麻生太郎首相(68)が73年から衆院選初出馬する79年まで社長を務めたほか、現在も妻千賀子氏(58)が取締役。現社長は弟の泰(ゆたか)氏。【斎藤良太、井上元宏】

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