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2008年10月23日(木) 21時32分

<詐欺容疑>100万ドル紙幣で2億円詐取 62歳男逮捕毎日新聞

 実在しない「100万ドル紙幣」を見せ金に使い、投資名目に飲食店経営者の女性から約2億円を詐取したとして、警視庁捜査2課は23日、映像製作会社「ジャパン・アート」(東京都新宿区)役員、能津三洋容疑者(62)=同区西落合=を詐欺容疑で逮捕したと発表した。「米国が中国向けに発行した紙幣だ」などとうそを言って信用させ、巧みに投資を引き出していた。

 調べでは、能津容疑者は06年7月、韓国籍の女性経営者(49)に「CIA(米中央情報局)が保護している100万ドル紙幣がある。半分預かってくれ」などと言い、紙幣100枚を預けた上で「ファンドに投資すれば毎日100万円もうけさせる」と持ちかけ、同9月、女性から1億円をだまし取った疑い。「女性は内縁の妻でだましてはいない」と否認しているという。

 能津容疑者は他にも映像製作会社が振り出した額面約1億円の小切手を担保として渡すなどして、別に約1億円を引き出していたという。不正を隠ぺいするため約4600万円を配当していたが、配当が滞ったため小切手を金融機関で換金しようとして発覚した。

 偽100万ドル紙幣は米国初代大統領のジョージ・ワシントンの肖像が描かれ、透かしがなく、真正の100ドル紙幣よりわずかに大きいという。警視庁が米国大使館に問い合わせたところ、10万ドル紙幣が発行されたことはあるが100万ドル紙幣はないという。能津容疑者は「新宿の飲食店で韓国人女性のママから買った」と供述しているという。【杉本修作、酒井祥宏】

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