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2008年10月23日(木) 22時15分

カップめんから防虫剤成分 67歳女性、嘔吐や舌にしびれ中国新聞

 神奈川県藤沢市は二十三日、市内のスーパーで購入した日清食品のインスタントめん「カップヌードル」を食べた同市の女性(67)が嘔吐おうとや舌のしびれを訴え、スープから防虫剤成分のパラジクロロベンゼンを検出したと発表した。軽症で病院には行っておらず、現在は回復している。

 容器に穴などの異常はなく、ほかに健康被害の報告がないことから、市は製造過程での混入に否定的な見方を示し、意図的に混入された可能性もあるとして県警に情報提供、混入の経緯を調べている。

 市によると、女性が二十日夕にめんを一口食べ、スープを飲んだところ、約五分後に吐き、約二十五分後には舌のしびれが出た。約二時間後に症状は回復。女性の夫(75)も少し食べたが、不調はなかった。カップめんは開封直後に薬品臭がしたという。

 女性は市の調査に「九月中旬ごろ防虫剤を買って衣替えをしたが、当日は防虫剤に触っていない」と話した。

 防虫剤成分が検出されたカップめんは、日清食品の関東工場(茨城県取手市)で八月三十日に製造され、賞味期限は二〇〇九年一月三十日。

 女性はスーパー「フードワン藤沢店」で九月二十九日ごろに購入。藤沢市は同店に対し、関東工場で同じ日に製造された製品の販売自粛を要請。同店は同じ製造日の商品数点を市に提出する一方、二十三日に商品を撤去した。

 女性と夫が二十一日、藤沢市保健所にカップめんを届け出て、保健所や県の衛生研究所で検査していた。市は二十一日、関東工場の調査を茨城県に依頼。茨城県によると、工場でパラジクロロベンゼンを使用した形跡はないとしている。

 日清食品は「現在、事実関係を調査中」としている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810230363.html