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2008年10月23日(木) 20時27分

攻勢に出るオバマ氏 「接戦」との世論調査も産経新聞

 【リーズバーグ(米バージニア州)=有元隆志】最終盤を迎えている米大統領選は22日、民主党候補オバマ上院議員が共和党の強い南部バージニア州で遊説するなど、攻勢に出ている。一方で、AP通信などの世論調査では、共和党候補マケイン上院議員との支持率が接近してきており、オバマ氏も楽観論を戒めた。

 「もしバージニアで勝利すれば、この選挙に勝てるだろう」。オバマ氏は北部リーズバーグでの演説会場でこう強調した。

 バージニア州では過去10回共和党候補が連続して勝利しているが、首都ワシントンに隣接する北部を中心に人口が増え、民主党も勢力を伸ばしている。ケーン知事は民主党で、2006年の上院選でも新人のウェブ上院議員が共和党現職を破った。

 オバマ氏は、マケイン陣営幹部が「北部は本当のバージニアではない」と発言したことをとらえ、「私にはここは本当のバージニアであるようにみえる」と述べ、会場につめかけた数万人の聴衆から喝采(かっさい)を浴びた。

 オバマ氏は同じ南部のノースカロライナ州でも接戦に持ち込んでいる。南部政治に詳しいミシシッピ大のマービン・キング准教授は「経済状況が悪化しているとの認識が米国民に浸透するなかで、オバマ支持も南部で広まってきている」と指摘する。

 FOXテレビやABCテレビの世論調査では、オバマ氏とマケイン氏の支持率は10ポイント前後の差がついているが、AP通信の最新の調査では、オバマ氏44%、マケイン氏43%でほぼ同じとなった。AP通信によると、マケイン氏は15日の討論会で「配管工のジョー」を取り上げるなど、勤労者層への訴えかけを強めていることもあり、年収5万ドル(約500万円)以下の白人層からの支持を伸ばしている。

 世論調査機関IBD・TIPPの調査でも、オバマ氏45・7%、マケイン氏42%と接近し、態度未定の人は12%も残っている。

 バージニア州でもNBCテレビの調査で、オバマ氏のリードが2ポイント差と縮まった。オバマ氏も「私は“捕らぬ狸の皮算用”はしない」と述べ、支持者に自信過剰にならないよう促した。

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