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2008年10月22日(水) 00時09分

<社会保険庁>健保レセプト抜き取り…遡及脱退など調査毎日新聞

 厚生年金をさかのぼって脱退させる「遡及(そきゅう)脱退」を隠すため、各地の社会保険事務所が政府管掌健康保険の診療報酬明細書(レセプト)を抜き取るなどの不正操作をしていた問題で社会保険庁は21日、年金記録確認第三者委員会が遡及脱退を認定した事案から調査を始める方針を明らかにした。同日の民主党の厚生労働関係の会合で示した。

 年金第三者委が8日までに社保庁の処理が不適正と判断したケースは66件あり、うち50件は遡及脱退だった。社保庁は「具体的事例を入手したい。健康保険給付の担当者の聴取も必要になる」として、この50件と、50件で記録訂正が認められた人の同僚について同様に改ざんされたケースから、早期に調査に入ると説明した。

 会合では、滋賀県内の元社会保険事務所徴収課長、尾崎孝雄さんが現場の実態を証言。「自身は直接(抜き取りを)していない」としたうえで「年金を脱退させられた(中小企業の)従業員は政管健保も同時に脱退し、医療費を全額自己負担することになる。徴収課員が、レセプトと被保険者原票をチェックする立場の業務2課長や給付専門官に遡及脱退はどれかを伝え、該当のレセプトを抜いてもらっていた」と述べた。【野倉恵】

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