児童・生徒の自殺を防ぐため、文部科学省は22日、現場の教師に向けた初めての自殺予防マニュアルの素案をまとめた。
自殺の兆候を認めた時にどう対応するべきかを示し、校長や担任教師らの役割分担を明確にした。
素案では、ひどい孤立感や周囲への強い怒りを抱くなど、危険な状態に陥っていく子供の心理状態を指摘。自殺の兆候として〈1〉関心のあったことに急に無関心になる〈2〉引きこもりがちになる〈3〉成績が落ちる──などを例示した。
兆候をキャッチした際の対応としては、「安易に励まさない」「子供の置かれた状況を丁寧に理解する」などの原則を掲げ、「教師が1人で抱え込まない」「子供との継続的な信頼関係を築く」などの留意点を示した。また、専門機関への連絡は管理職、保護者との連携は学級担任、いじめの予防は生徒指導主任──など、校内の役割分担を明確化。保護者と協力関係を築くことや、日ごろから医療機関とこまめに連絡を取り合うことを求めている。
さらに学校で自殺が起きてしまった場合の対応として、精神的に不安定になった子供のケアを専門家に委ねるとした。
同省は、自殺対策基本法の成立や子供の自殺が相次いだことで、教師向けの自殺予防マニュアルの作成に着手。今年度末までに完成させ、全国の小中高校など約4万校に配布する。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081022-OYT1T00649.htm