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2008年10月22日(水) 00時00分

裁判員の職務読売新聞

 今月スタートした新企画「6000分の1 ひょうごの裁判員」では、来年5月にスタートする裁判員制度に関するニュースをお伝えし、随時、制度の内容やしくみなどをQ&A方式で紹介していきます。まず最初は「裁判員の職務」について。地裁刑事部に聞きました。

 Q 裁判員はどのような役割を担うの?

 A 一つの刑事裁判にかかわる裁判員は原則6人で、裁判官3人とともに被告が有罪か無罪か、また、有罪ならばその量刑を決めます。このため、公判では検察側、弁護側の意見をよく聞き、時に被告に質問することも必要になります。

 Q どうやって判決を決めるのですか。

 A 裁判官1人以上を含む過半数が有罪を支持した場合のみ、有罪になります。裁判官が3人とも有罪の意見でも、裁判員5人以上が無罪を支持すれば無罪になります。量刑は9人で十分話し合い、これも最終的には多数決で決めます。

 Q どのような事件を扱うのですか。

 A 最高刑が死刑または無期の懲役・禁固刑か、故意に人を死亡させるなど、いわゆる重大事件です。具体的には、殺人罪、現住建造物等放火罪、強盗致死傷罪、危険運転致死罪などが挙げられます。

 Q 法律の知識がないので不安です。

 A 法律については裁判官が説明するので、心配はいりません。裁判員は、これまでの経験や一般常識から自分なりに判断すればいいのです。たとえば、被告が被害者の左胸を刃物で刺したケース。本来なら心臓めがけて刺しているわけですから、殺意があったと思えます。しかし、もみ合いで偶然刺さったことも考えられます。そうした事情を一つずつよく検討し、自分の考えを述べることが大切です。

 地裁は、1年間の裁判員裁判を156件と予想しています。来年5〜12月では125件となり、計750人が裁判員に選ばれる予定です。県内の有権者数は約453万8000人ですので、単純計算で確率は約6000人に1人になります。再来年以降は、丸々1年分なので、裁判員に選ばれる人は936人に増え、確率は約4800人に1人となります。

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