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2008年10月21日(火) 00時01分

景気「弱まっている」と下方修正 月例経済報告中国新聞

 与謝野馨経済財政担当相は二十日、景気の基調判断を「弱まっている」とした十月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。二カ月ぶりの下方修正で、後退局面入りしている国内景気が米国発の金融危機の影響で一段と悪化しているとの現状認識を示した。さらに世界同時株安など、景気の先行きに懸念材料が増えていることに警戒感を強めた。日銀も十月の地域経済報告(さくらリポート)で、初めて全国九地域すべての景気判断を下方修正。地域経済の悪化が鮮明になった。

 政府が月末に取りまとめる追加経済対策の早期実行や規模拡大を求める声が強まりそうだ。

 九月の基調判断は「このところ弱含んでいる」だったが、金融危機の悪影響が実体経済に及び、自動車など日本の欧米向け輸出が低迷。生産や設備投資の減少を招いたほか雇用の悪化につながった。

 景気の先行きに対しても、金融危機が深刻化し世界経済の減速感が強まることや、株式・為替市場の変動など懸念材料を列挙した。与謝野経財相は会議終了後に記者会見し「景気の状況がさらに厳しいものとなるリスクが存在する」と述べた。

 個別項目では、輸出や生産、業況判断に加え、個人消費や倒産件数、雇用と計六項目を下方修正。同時に六項目を下方修正したのは一九九八年四月以来、十年半ぶり。

 輸出は「弱含んでいる」から「緩やかに減少」に、雇用は「厳しさが残る中でこのところ弱含んでいる」から「悪化しつつある」にそれぞれ変更。個人消費は一年ぶり、倒産件数は一年一カ月ぶりの下方修正となった。

 世界経済の判断も「減速の動きに広がりがみられる」から「減速している」に二カ月連続で変更。米国は「景気は後退している」と六カ月ぶりに変えたほか、アジアも約五年ぶりに下方修正した。

 与謝野経財相は「じっと耐えるしかないという状況が続く。景気が過度に落ち込むのを防がないといけない。追加経済対策を早急に取りまとめたい」と語った。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810210069.html