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2008年10月21日(火) 10時11分

江東区南砂町に大規模SC「SUNAMO」開業Oh! MyLife

 「南砂町ショッピングセンター SUNAMO(スナモ)」が2008年10月9日にオープンした。SUNAMOは東京メトロ東西線南砂駅そばの江東区新砂3丁目に立地する大型複合商業施設である。建物は地上7階建てで、店舗部分は4階までである。5階以上は駐車場になっている。

 SUNAMOはスーパーのイオンや家電専門店のコジマら7つの大型店と約100の専門店が入る。フードコートには「佐世保バーガー LOG KIT」や「富士宮焼きそば 本清水商店」などユニークな店舗が並ぶ。三菱地所株式会社が開発し、アクアシティお台場などの実績がある三菱地所リテールマネジメント株式会社が運営する。

 SUNAMOという名称は南砂町の川風に揺らぐ美しい砂面(すなも)をイメージし、「砂町」「モール」「SUN(太陽)」「AMUR(愛)」を複合したという。首都圏の私鉄共通ICカード「パスモ」や横浜の商業施設「港北みなも」を連想させる語感でもある。「も」で終わらせると柔らかい感じがする。

 ただし、砂町だから砂面(すなも)というのは安直な感がある。砂町という地名は、江戸時代の開拓者・砂村新左衛門に由来するためである。この地に砂が多いとか、砂を使って埋め立てられたという歴史があるわけではない。

 私は10月11日にSUNAMOを訪問した。開業後の初の休日ということで、大勢の人でにぎわっていた。敷地の外から行列でスタッフが誘導するほどの混雑で、自転車を止めるだけでも一苦労であった。各店舗でさまざまな開店記念セールを実施しており、多くの客を集めていた。

 江東区には既にショッピングセンターは多数存在する。同じ南砂町駅付近にはジャスコやDIYセンター・ドイトを核とするトピレックプラザがある。東陽町にはクイーンズ伊勢丹のあるイースト21がある。木場にはイトーヨーカドーを中心とする深川ギャザリアがある。再開発が進む豊洲には「アーバンドック ららぽーと豊洲」ができた。さらに東雲にもイオンがある。

 一見すると飽和状態であるが、少なくとも徒歩圏の住民は確実に集客できるはずである。同じ南砂町にトピレックプラザがあるが、駅の北側・南側に分かれており、近隣の住民は近い方に行くだろう。SUNAMOの近隣には高層マンションが林立しており、近接住民だけでも、それなりの数になる。

 SUNAMOが地域密着型の複合商業施設をうたっているが、これは近接住民を絶対に失わないという決意の表れと思われる。テナントには接骨院や幼児教室、写真館、カルチャーセンターまであり、生活に必要な店舗のほとんどがそろっている。イオンやドゥ・スポーツのようにほかのSCに入居しているテナントが入っているのも、「近くの住民は近くの店で」という発想だろう。

 近接住民に対しては近さという圧倒的な優位性があるが、車で来る客に対してはほかのSCと競合になる。一つの差別化要素としては、家電専門店のコジマが入居していることである。これまで家電は秋葉原や有楽町のビックカメラ、錦糸町のヨドバシカメラで購入していた江東区民も多かったはずである。コジマが自動車圏の買い物客を集客する鍵になると考える。

 地域密着型ショッピングセンターや平仮名の「すなも」を落款風にしたシンボルマークなど、SUNAMOは江東区に散在するSCとの差別化に努めている。消費者にとって選択肢が増えることは歓迎であり、SC間で競い合って発展することを期待する。

(記者:林田 力)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081021-00000001-omn-l13