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2008年10月21日(火) 19時40分

既存店売上高5カ月連続プラス 金融危機の中、なぜコンビニだけが好調なのかMONEYzine

 世界的な金融危機で各産業界の収益が落ち込む中、不況に強いといわれるコンビニ業界が売上を伸ばしている。日本フランチャイズチェーン協会が発表した9月のコンビニエンスストア既存店売上高は、前年同月比6.6%増の6239億9600万円と5カ月連続のプラス、来店客数も前年同月比6.1%増の延べ10億8112万人と6カ月連続で前年を上回った。9月は曇りや雨の日が多く、3連休も例年より少なかったが、しぶとく売上を伸ばしている。コンビニ各社が発表した8月決算でも大手4社がすべて増益、うち3社が過去最高益を更新している。

 景気の先行き不安により個人消費が冷え込むみ、スーパーや百貨店事業の売上が落ち込む中、なぜコンビニ業界が売上を伸ばしているのだろうか。90年代のデフレ不況下でも拡大を続けてきたコンビニ業界だが、現在の好調の理由の1つとしてあげられるのが、たばこ自動販売機への成人識別ICカード「taspo(タスポ)」導入だ。喫煙者が自動販売機ではなくコンビニの店頭でたばこを購入するケースが増え、売上に貢献した。

 また昨年から続く原油高も実はコンビニ業界の追い風になっているという。ローソンの新浪剛史社長はガソリンを使い車で買い物に行くよりも、近くにあるコンビニで食材をそろえる消費者が増えていると分析しており、ガソリン代の高騰によって、郊外型店舗への来店頻度が減る一方で、コンビニの来店客数を押し上げているようだ。世界的な金融危機で個人消費が冷え込む中、コンビニの好調が際立つ形となっている。

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