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2008年10月21日(火) 23時35分

携帯番号持ち運び2年で利用5・5% 予想の半分、メアド変更ネック産経新聞

 携帯電話の番号を変えずに携帯会社を変更できる番号持ち運び(番号ポータビリティー)制度が始まって24日で2年を迎える。携帯各社が価格やサービスを競う契機となったが、9月末までの累計利用は携帯電話契約者の約5・5%(約573万件)にとどまった。同制度導入以降の大手3社の契約はKDDI、ソフトバンクモバイルが伸ばし、NTTドコモが独り負けの様相を呈している。

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 「2年で全体の1割が利用する」。制度開始前、業界にはこんな予想が流れていたが、9月末までの2年間の利用はわずか5・5%にとどまった。総務省は「価格、サービス競争が進み、業界活性化の一助になった」と成果を強調する。しかし、月別利用件数は開始直後の一昨年11月の47万件をピークに減少、今年4月以降、月20万件を割り込む水準で推移している。

 利用が進まない背景には制度利用時の約5000円の手数料負担やメールアドレスが持ち運べないことなどがある。

 番号ポータビリティー制による各社の契約者の増減をみると、18年10月から19年9月までの1年目はNTTドコモとソフトバンクモバイルがマイナスとなり、KDDIが独り勝ち。KDDIは「サービス、端末の先進性やつながりやすさで若者を中心に支持を集めた」(幹部)と話す。

 今年9月までの2年目は昨年4月以降、毎月プラスに転じたソフトバンクモバイルがKDDIを抑え純増数でトップに立った。2年間の合算ではKDDIが約150万件増でトップ、ソフトバンクモバイルも1年目のマイナス分を埋めて、約32万件増を確保した。ソフトバンクモバイルの富田克一副社長は「『草刈り場になる』という危機感をバネに弱みを改善、商品、サービス、価格で他社をリードできた」と話す。

 すべての月でマイナス、2年間で182万件余もの純減と“独り負け”のドコモ。料金が高く、つながりにくい」というイメージから顧客流出が続いたが、「料金体系の見直しや基地局整備の前倒しで(マイナスイメージを)ほぼ払拭(ふっしょく)できた」(同社幹部)として、反転攻勢に出る構えだ。

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