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2008年10月21日(火) 23時45分

新銀行東京「収益面に課題」 金融庁が検査結果通知産経新聞

 金融庁は21日、東京都が400億円を追加出資して経営再建中の新銀行東京に検査結果を通知した。金融庁は、内部管理体制や融資の実態などを厳しく点検。同行が書類だけの甘い審査を推奨し、ずさんな融資を続けて大量のデフォルト(債務不履行)を発生させた問題点などを指摘したとみられる。

 金融庁は今後、新銀行東京に経営の改善状況についての報告を求め、問題があれば業務改善命令などの行政処分を検討する。平成23年度の黒字化を目指している再建計画の実効性についてもチェックする。

 金融庁は4月、新銀行東京に対し開業以来初めてとなる検査に着手。5月から立ち入り検査を実施、7月に検査を終えていた。

 新銀行東京は今年に入って大幅なリストラや支店廃止などで経営再建に取り組んでいるが、金融庁からは「収益面に課題がある」と指摘されている。

 新銀行東京は、石原慎太郎都知事の主導で都が1000億円を出資して設立。ずさんな融資が繰り返されたため、平成20年3月期には1016億円の累積赤字を計上していた。都は、経営の健全性確保を理由に3月に400億円の追加出資を決定。8月には累積赤字を一掃する1016億円の減資を実施したが、都が設立時に出資した1000億円の8割超が失われている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081021-00000619-san-soci