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2008年10月21日(火) 21時03分

<麻生首相>日中韓会談12月打診…解散日程に憶測広がる毎日新聞

 麻生太郎首相が、12月中に日中韓3カ国首脳会談を開くよう中韓両国に打診していたことが波紋を広げている。政府は「年内に開きたいという福田前政権以来の課題」(外務省幹部)と強調するが、12月上旬開催なら「11月30日衆院選」後の政局とかち合う可能性もあり、開催に積極的な首相の胸中をいぶかる声も出ている。

 麻生首相は21日夜、「(3カ国首脳会談は)今年中にやらなければいけない」と述べ、年内開催に意欲を示した。首相官邸で記者団に語った。

 3カ国会談は07年11月、日中韓が国際会議とは別に年1回開くことで合意し、初回は日本が主催することになっている。9月21日に日本で開く予定だったが、福田康夫前首相の退陣で急きょ延期になっていた。

 しかし、外務省内には年内開催が実現できなければ、日本での初会合がおぼつかなくなり、主導権を中韓両国に取られかねないとの懸念が強かった。このため、麻生内閣成立直後から、外務省幹部は首相に日中韓首脳会談の必要性を強く進言していた。

 しかも、金融危機の広がりを受け「中韓からも年内に開けないかと要請があった」(外務省幹部)ことが決定要因となり、12月開催での本格調整に入った。首相は解散日程に憶測を呼んででも日程を入れたいとの思いが強かったようだ。

 ただ、会談が12月上旬に行われることになった場合、直前の11月30日に衆院選の投開票を行うことは困難ではないかとの声が強まるのは必至だ。【川上克己、西田進一郎】

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