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2008年10月21日(火) 01時06分

「11・30」意識? 政党幹部が続々大阪入り産経新聞

 「11月30日投開票」の日程が浮上してきた次期衆院選を意識するかのように、各党の幹部が活発に動き出した。民主党の鳩山由紀夫幹事長は20日、大阪市内の繁華街で街頭演説を実施したほか、前日には岡田克也副代表も大阪入りして政権交代を訴えるなど、選挙戦さながらの活動を展開。一方の自民、公明、共産の各党も幹部クラスが続々と大阪入りし、「年明け選挙」説を打ち消すかのように、早くも都市部の有権者争奪戦を繰り広げている。

 「年金など国民が変えてほしいと思う問題は自民党と官僚の癒着から生じている。それを断ち切ることができるのは民主党だけ。皆さんの暮らしを正しい方向に導きたい」

 買い物客や若いカップルらでにぎわう20日午後のJR天王寺駅前で、鳩山幹事長が声を張り上げた。鳩山幹事長はこの後、大阪市西区の商店街を練り歩き、買い物客らに名刺を渡したり、握手をしたりして党への支持を訴えた。その光景は、まるで選挙戦が始まったようだった。

 また19日には、岡田副代表が茨木市や寝屋川市など府北部各地で街頭演説。「この選挙こそ政権交代をかけた選挙。国民の立場に立った新しい政治をさせてほしい」と訴えた。

 鳩山幹事長らがこの時期、相次いで大阪入りした背景には、前回(平成17年)の“郵政選挙”で東京や大阪、神奈川など全国各地の都市部で惨敗した反省がある。大阪では、前々回(15年)の衆院選では比例復活を含め13人が当選したが、前回は小選挙区2人、比例復活2人の計4人にとどまった。府連幹部は「党本部が、都市部対策に力を入れていることを改めてアピールしたかったのではないか」と説明する。

 一方、与党も幹部が訪れ、解散・総選挙を見据えて活動を展開している。

 18日には自民党の石破茂農林水産相が、大阪9区の現職が茨木市で開いた国政報告会に参加し、「民主党は国民の生活が第一というが、自分たちの選挙が第一で国民の生活なんて考えていない。民主党に(政権を)やらせてみては、というのはダメ。やらせて後悔しても遅い」などと民主への批判を展開。

 公明党の太田昭宏代表も14日、大阪市内で立候補予定者の応援に駆けつけ、「景気対策ができるのは与党だけ。政府与党を勝たせてください」とボルテージを上げた。また自民の古賀誠選挙対策委員長も同日、大阪入りし自民府議や市議にハッパをかけた。

 このほか、共産党も11日に志位和夫委員長、19日に市田忠義書記局長がそれぞれ府内で街頭演説を展開するなど、各党が都市部の有権者獲得を目指して動いている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081021-00000501-san-pol