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2008年10月21日(火) 00時01分

岡田監督の5年間に幕 多くの功績残し去る中国新聞

 チームの、そして自らの集大成と位置付けた短期決戦が終わった。阪神は昨年に続きクライマックスシリーズの第1ステージで敗退。同時に、岡田彰布おかだ・あきのぶ監督(50)の5年間も幕を閉じた。

 3年ぶりのリーグ優勝だけ考えてスタートした今季。キャンプイン前日には、監督自ら「クライマックスシリーズなんか関係ない。シーズンで勝とう」と選手の前で力強く宣言した。言葉通り、順調に滑り出した。

 岡田体制の5年間では多くの功績を残した。リーグ優勝1度に4度のAクラス入り。今季も2位に終わったとはいえ、82勝59敗3分けは誇れる数字だ。阪神を常勝チームへと変ぼうさせた。

 2軍監督時代に育てた選手も、すくすく成長している。「JFK」を生み出したのも独特の考え方によるものだ。好きな将棋と同じように、勝利を逆算して考える。阪神に六回までリードを奪われたらおしまい。相手にそう思わせることにも成功した。

 今季、七月上旬には後続に13ゲームの大差をつけた。しかし、夏場を境にじわじわと後退し、最後は巨人に逆転優勝を許した。今月十一日には選手、コーチ陣を集め、辞意を直接伝えた。責任をすべて背負い、岡田監督らしい“けじめ”のつけ方だった。

 頑固な性格だから、一度決めたら心変わりすることはない。とはいえ、いずれまた縦じまのユニホームに袖を通すだろう。そう願ってしまうような、潔い背番号80の去り際だった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810210075.html