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2008年10月19日(日) 02時30分

<金融強化法改正案>資本注入に経営責任求めず 政府方針毎日新聞

 政府は18日、地域金融機関の経営が悪化する前に公的資金による資本注入を行う金融機能強化法(今年3月に期限切れで失効)の復活に向け、改正案の骨格を固めた。3年程度の時限立法とし、資本注入の申請にあたっては、旧強化法と違って金融再編や経営責任追及を前提とせず、中小企業向け融資の円滑化などを求める。注入の原資となる公的資金枠(政府保証枠)は旧強化法と同じ2兆円とする方向だが、与党内には「大手行の活用も排除すべきでない」との声もあり、5兆円程度になる可能性もある。

 政府は改正案を月内にも臨時国会に提出する方針。民主党も公的資金投入制度の必要性を認めている。

 改正案の特徴は、金融機関の使い勝手を良くして地銀や信金・信組などの幅広い活用を促し、経営安定化を支援すること。旧強化法は、公的資金投入をテコに地域金融機関に合併や統合など再編を促すのが目的だった。単独で資本注入を申請する場合、金融庁に提出した経営強化計画の収益目標の達成を厳しく問われた。未達成なら首脳退陣など経営責任の明確化を求める内容だった。このため利用が進まず、注入実績は大分県の第二地銀、豊和銀行など2行で計400億円にとどまっていた。

 改正案は、金融機関の資本の安定を支援し貸し渋りや貸し剥(は)がしなどを抑えることを優先。金融機関に中小企業向け融資目標を設定させる一方、収益目標が達成できない場合も即座に経営責任は問わないことを明確にする。【永井大介】

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