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2008年10月19日(日) 23時53分

新規上場、日米で激減…株急落で資金調達困難読売新聞

 金融市場の混乱が危機へと深刻化し、株式市場に新規上場する企業が米国でも日本でも激減している。

 上場しても高値が付かず期待通りの資金調達ができないとの判断から、企業が上場申請を見送っているためだ。日米とも、年間の新規上場が50社に満たない「異常事態」になりそうだ。

 米系調査会社トムソン・ロイターによると、米国での新規上場は、前年に年間185社あったが、今年は現時点で28社にとどまる。

 8月7日に新規上場があったのを最後に、今月17日まで10週連続で途絶えており、同社が集計を始めた1980年以降で最長の空白期間となった。今年に入り新規上場がなかった週は計23週となり、年間ワースト記録である03年の24週を上回る勢いだ。

 日本でも、国内6証券取引所に新規上場した企業は9月末時点で32社で、前年同期(93社)のほぼ3分の1に落ち込んでいる。10月に入っても19日時点でまだ1社だけだ。いったん決まった上場を取り下げる事例も出ており、年間では50社を割る見込みだ。昨年の121社を大きく下回り、過去10年で最少となることが確実視される。

 9月に東証マザーズに上場した医療情報サービス会社データホライゾン(広島市)の社長は「事業拡大に資金が必要だった。待っても市場環境が良くなるとは思えなかった」と、上場に踏み切った理由を話す。

 株式市場が資金調達の場としての役割を果たせない状態が続けば、企業活動がいっそう停滞する懸念がある。主幹事証券会社やベンチャーキャピタルの収益も悪化しており、証券業界では「死活問題だ」との悲鳴も上がっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081019-00000034-yom-bus_all